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TOP 【2026年 法改正速報】「106万円の壁」がなくなる。
パート・アルバイトを雇う事業者が今すぐ確認すべきこと
【2026年 法改正速報】「106万円の壁」がなくなる。
パート・アルバイトを雇う事業者が今すぐ確認すべきこと

2025年6月、「年金制度改正法」が成立しました。この改正により、パートタイマーやアルバイトの社会保険(健康保険・厚生年金)加入ルールが大きく変わります。「106万円の壁」という言葉を耳にしたことがある方も多いかと思いますが、この壁が段階的に撤廃されることが正式に決定しました。経営者・人事担当者の方にとって、今後の人件費や雇用管理に直接影響する改正です。内容をしっかり把握しておきましょう。


■ これまでの社会保険加入要件とは



現在、短時間労働者(パート・アルバイト)が社会保険に加入するためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
・従業員数51人以上の企業に勤務していること
・週の所定労働時間が20時間以上であること
・月額賃金が8万8,000円以上(年収換算で約106万円)であること
・雇用期間が2か月を超える見込みがあること
・学生でないこと
この「月額8万8,000円以上」という賃金要件が、いわゆる「106万円の壁」です。従業員が意図的に勤務時間を抑え、社会保険加入を回避する「働き控え」の大きな要因となっていました。


■ 何がどう変わるのか



今回の改正で変わる主なポイントは2つです。
(1)賃金要件(106万円の壁)の撤廃
月額8万8,000円以上という賃金要件が撤廃されます。最低賃金の上昇により、週20時間働けば多くの地域で自然に8万8,000円を超える現状を踏まえた措置です。施行は政令で定める日(2028年6月までの間)とされていますが、早ければ2026年中にも施行される見通しです。
(2)企業規模要件の段階的撤廃
現在は従業員51人以上の企業のみが対象ですが、2027年10月以降、段階的に適用対象が拡大。最終的には2035年を目途に、すべての規模の事業所で「週20時間以上働く労働者」が社会保険加入対象となる予定です。


■ 事業者への影響



最も影響が大きいのは、これまで適用対象外だった従業員50人以下の中小企業です。これまで社会保険加入の手続き自体が不要だったパート従業員が、新たに加入対象となるケースが増えます。
企業が新たに負担する社会保険料は、健康保険と厚生年金を合わせると報酬の約28%。労使折半のため、会社が約14%を負担します。従業員が増えれば増えるほど、人件費への影響は無視できません。
なお、改正に伴い、新たに加入対象となる短時間労働者に対しては、3年間限定で社会保険料の本人負担を最大50%軽減する特例措置が設けられています。事業主が追加負担した分は制度全体で支援される仕組みです。


■ 今から始めておきたい準備



・自社のパート・アルバイト従業員の勤務時間と賃金を一覧化する
・新たに加入対象となる従業員を試算し、保険料コストの影響額を把握する
・就業規則や労働条件通知書を改正内容に合わせて見直す
・従業員への説明・周知の機会を設ける
施行のタイミングは「早ければ2026年中」とまだ流動的な部分もありますが、準備に時間がかかることを考えると、今から動き出すことが得策です。
当事務所では、社会保険適用拡大への実務対応サポートを承っております。「自社への影響を確認したい」「手続きをまとめて任せたい」という事業者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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※本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。
施行日等の詳細は今後変更となる場合があります。
最新情報は厚生労働省ホームページをご確認ください。
監修:社会保険労務士
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