時間外労働や休日労働を行わせるには、労働基準法第36条に基づく「36協定(サブロク協定)」の締結と届出が必要です。
2025年現在、電子申請の普及や特別条項の厳格化により、実務対応も進化しています。本記事では、36協定の基本から提出までの流れをわかりやすく解説します。
✅ 36協定とは?
36協定とは、労使間で「時間外労働・休日労働の上限」を定める協定書です。
これを所轄の労働基準監督署に届け出ることで、法定労働時間を超える労働が可能になります。未提出のまま残業をさせると、労基法違反となり、是正勧告や罰則の対象になります。
📝 協定書の種類と構成
36協定には以下の2種類があります:
通常の36協定:月45時間・年360時間までの時間外労働を定める
特別条項付き36協定:繁忙期などに限り、上限を超える時間外労働を可能にする(ただし厳格な制限あり)
協定書には、以下の項目を記載します:
対象となる労働者の範囲
時間外・休日労働の具体的な上限時間
特別条項の有無と発動条件
協定の有効期間(原則1年以内)
労働者代表の署名・押印
※労働者代表は、管理職や会社の指名ではなく、民主的な手続きで選出された者である必要があります。
📤 提出の流れ(2025年版)
現在は、紙提出と電子申請の両方が可能です。電子申請は「e-Gov」または「社労士電子申請システム」から行えます。
協定書の作成(厚労省様式 or 独自様式)
労働者代表との締結・署名
電子申請 or 労基署へ持参提出
控えの保存(会社保管用)
従業員への周知(就業規則や掲示など)
※特別条項付きの場合は、協定書に加えて「限度時間を超える理由」「健康確保措置」などの記載が必須です。
⚠ よくあるミスと注意点
労働者代表が適正に選出されていない
特別条項の発動条件が曖昧
有効期間が1年を超えている
提出済みだが従業員に周知していない
電子申請後の控えを保存していない
これらは労基署の調査で指摘されやすく、是正勧告の対象になります。